新宿メロドラマ

安っぽいヒューマニズムは要らない。高いのを持ってこい。

ツキノウラガワ。

うさぎふらすこが「株式会社うさぎふらすこ」を名乗って1ヶ月が経った。

この間あったことといえば、人の悩みを顕微鏡でのぞくようにためつすがめつする「BUZZOO!知恵袋」がリリースされたり、偽装になっているのかなっていないのか分からんTwitterクライアント「tweegle」が上位でBUZZられてサーバが不安定になったり、「エクセル風2chビューワ」で2chの書き込みをみた人が「消してくれ!」と云ってきたりと、まぁそれなりに多彩ではあった。

設立2日目で奇跡的なご招待に預かった「異業種交流会FLAT」では座長のプレゼンテーションが冴え渡り、会場を笑いと困惑の渦に巻き込んだことも付け加えねばならない。もっとも私は会場の参加者に、「・・・・宗教団体?」と尋ねられたのが一番の思い出になった。

ところで座長がうさぎふらすこ社の社是を「バカとエロで世界を再構築したい。」に定めた。

社是なんだから「したい。」ではなく「する。」と云い切ればよいのだろうが、そこは昔、よしもとばななが「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う」と書いて、「お前が好きなんだから『思う』じゃないだろ!」と激しい怒りを買ったのと同種のセンスなのだと「思う」。

さてインターネットがますますややこしい場所になってきて、ちょっと前なら「匿名性により凶暴化した個人の自我が暴力的な言葉で人の心を踏みにじり・・・・」などとえらくもてはやされた「匿名性」が実際問題、ファンタジーに過ぎないということが明らかになるとともに、ネットは公序良俗にまつわる自主規制の類によって整地されつつある。

「○○殺す」と書いたとたんに「通報した」「アウッ!アウアウッ!」「記念パピコ」などと囃され、実際問題プロバイダによる情報開示の果て、逮捕に至った例は枚挙に暇がないし、最近では風俗ブログなども削除されることがある(何故だ!?)ようだ。

しかしだいたいにおいて「自主規制」というやつは過剰だし、それはそもそも自主規制というのは見識や分別のないやつが云い出すことだからそうなるのだ。浜田幸一先生も孫正義社長も、ただ面白がるだけで何も云わずに「Twit-tshirts

を買ってくれた。

大人というのは、「だいたいOK」かどうかが分かっているものなのだ。そうでない輩の手に、このままネット社会を引き渡してしまうのはあまりにも惜しい。

「カッパ発見!」をテレビで報道するのは問題だが東スポなら年中そんなことを云っているし、コンビニ売りのムック本の世界に至っては、ほぼそれで食っているような人もいたりするわけだが誰も気にしない。思うにネットなどは情報発信の容易さから云えば、それを更に3段ぐらい下品にしたメディアに過ぎない。公序良俗が聞いてあきれる。

「かあちゃん、パジャマで出歩くのやめてくれよ」

「いいじゃない、近所なんだから」

いいんである。

スーツでカバンを提げ、渋谷か六本木あたりをうろつけば「IT系」だと思いこんでいるような愚か者が、この「ご近所性」を圧殺しようとしている。

抵抗する気はない。だが頭の悪い奴は、痛い目にあわせてやらなければならない。

「バカとエロで世界を再構築したい。」

どうせバカでエロなんだから、別にいいじゃない。

せめてそちらへ向けて窓を開いておかなければ、我々は短い人生の間に「ウェブ」の次の段階を拝むことは叶わないだろう。