新宿メロドラマ

安っぽいヒューマニズムは要らない。高いのを持ってこい。

Kindle、抜きん出る。

インテル、入ってる」という広告史上に残るコピーだが、英語の" Intel Inside "の和訳としてすばらしいセンスだと思っていたら実際には逆で、日本語のコピーの方が先にあったという話を聞いて「なんだよ」と思った。

それほど先に何かをみせられて、「これから発想しろ」と云われたときの縛られ方といったらない。

インテルのコピー考えて」というオープンなリクエストに応えて出てきた「インテル、入ってる」はただのダジャレに過ぎない。

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またKindleをなくした。

1台目のKindleキャセイパシフィックの座席ポケットに入れたまま降機してしまい、問い合わせたら香港から成田を経由して自宅まで無料で送ってくれたので助かったと思っていたところ、今度はシンガポールに泊まったホテルのベッドに置き忘れた。ホテルの方は問い合わせたが返答ナシである。

2台目はいまのところどこへ置いたかわからないままだ。

APAホテルに連絡したが「お力になれず申し訳ございません」という返事が留守電に入っていた。「Kindleありませんどる」と伝えるのに25秒も費やす従業員教育にはあらためて舌を巻いた。少し云いすぎを承知で云うがAPAホテルの従業員の物腰はJALのキャビンアテンダントに匹敵するレベルに達していると思う。

なお客室乗務員に対する社内での呼称は、航空会社によっても相違があり、日本航空では単に「アテンダント」(AT)、全日本空輸では「スカイサービスアテンダント」を用いている。

客室乗務員 - Wikipedia

私は本当によく物をなくす。

それも比較的大切なものからなくす。

しかも大切なものからなくすというのは、大切なものだからなくしたことに気付いただけで、実際には大切でないものの方がより多くなくしているのだろうと思う。

もともと小学生の時分から忘れ物が多くて親にも担任にもずいぶんバカにされたが、仕事で大切なものを預かるようになったここ6、7年は本当にシャレにならないことも何度かあって自室の棚という棚、引き出しという引き出しを文字通り引っかき回して悶絶したことも数知れない。

先日は、朝起きてホーチミンシティのアパートを出ようと思ったらアパートの鍵がない。

嫌な汗をかきながら部屋中を探し回り「でもゆうべちゃんと入れたんだから、絶対この部屋のなかにあるはずだ」と自分に云い聞かせていたところ、結局ドアの外の鍵穴に挿さったままだった。

部屋のなかにすらなかった。

しかも夜中にうちのアパート出入り自由の状態だった。

それを同じアパートの住人にも目撃されていた。

ある人が云うように、もしこれが酒のせいだとしたら本当にいよいよ潮時だ。

人間は一方的に老いていくのであって特に大脳組織は回復しないことが古くから知られている。

ガイド「お忘れものございませんかー」

私「忘れものは忘れているから忘れものなのであって、云われて気付くならすでに忘れものではない」

 先日もこんなことがあったが、笑っていられるのはいまのうちだと自分でわかっている。

 

大切なものからなくす、こんな人生は哀しいばかりで生きている値打ちがない。

早急にしかるべく手を打つべきだがこれが存外に難しいというのは大人も子供も変わりがない。

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Kindleは名機・Paperwhiteの上位機種・Voyageを発表。

最近官能小説400冊をPDF化したばかりだという弁護士とともにこの有用性を検討したが、やはり書物が本棚に並んでいるという物理的状況がこどもの育つ環境として重要なのではないかという点で一致するも、官能小説の論理的官能性のこどもへの影響に配慮してこれを電子化したばかりの法曹は電子書籍の役割が日々増している状況を追認する。

私はといえばKindle Paperwhiteをまたなくしたという失態にけじめをつけるため、しばらくKindleなき生活に耐える所存である。年間50冊読破の目標に暗雲垂れ込めるの巻、というご報告だ。

Kindle Voyage Wi-Fi、キャンペーン情報つきモデル

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