新宿メロドラマ

安っぽいヒューマニズムは要らない。高いのを持ってこい。

ブログ

嘘と、沈黙。

あなたのなかでNetflixをめぐる熱狂はもう落ち着いただろうか。 米Netflixでは、完全に滑ったシーズン3の後を追う“House of Cards” シーズン4が公開中だ。世は実際に米大統領予備選のクライマックスだから、まことショービズのお上手なことと舌を巻くほかな…

【後編】Mike Hearnのビットコインお別れブログを邦訳してみる。

思いがけずシェアしていただいて、ブクマがついたことに勢いづいて、後半まで訳し終わった。 事実関係については明るくありませんので評価を控えますが、なかなかショッキングなコミュニティ内部の分裂の模様が報告されています。 最後のパラグラフに込めら…

経営者ブログ。

弊ブログではすでにご報告とお詫びを申し上げたわけだが、昨年私は50冊読破の目標を達成できなかった。 最終的には49冊目に綿矢りさの「しょうがの味は熱い」という、のんきな小説を読み終わり、50冊目を読んでいる途中で年を越したが、私の読書メモにおける…

殺戮の入り江。バックシートの男は第三次世界大戦のコンサルタントを目指してる。

アメリカは西海岸で武者修行をしている知人。 「会社を辞めたヤツが、次の仕事を見つけるまでのあいだ、個人で請け負った仕事をするためにコワーキングスペースを使っているケースが多いですね。みんな2, 3ヶ月で仕事が決まって、いなくなっちゃいますよ。こ…

あの日食べたパンの名前を僕達はまだ知らない。

一度観れば、誰のこころにも深く根を下ろして去ることのない短編コミック「ツブアンマン」。 先に挙げた、私の政治的マニフェストとあわせてご覧いただくと、そこにはえもいわれぬマリアージュが訪れるであろう。 国家はそれ自体の意思と目的をもって合理的…

ベッカムに恋した地獄の道案内。

経営者の端くれとしては、従業員のやりがい云々の前に「労働時間をなるべく短く、労働分配率を高く」が社会的使命だと心している。 グローバルな「同一労働同一賃金」も、「給料の安いとこにあわせてどうすんだよw」というのが僕の立場だ。平等とかではなく…

チーズのにおい。クサい西欧人の言葉遣いとブルーズマンのやり方。

フランス人が自国産チーズの強いにおいを誇らしげに自慢するのをスウェーデン人、インド人、ユダヤ人がチーズ小屋の前で聞かされていた。 強烈なにおいの発酵ニシンになれているスウェーデン人が自信満々に小屋のなかへ入ったがにおいに耐えきれずすぐ飛び出…

【政治的主張注意】解釈改憲で安保法制に手をつけた政権の罪を論じず「賛成/反対」を云うあなた方のことを心配しています。では聴いてください。「木綿のハンカチーフ」。

つくづく邪悪なやつよりバカなやつの方が遙かに危険だと思わされることだ。 「地獄への道は善意で敷き詰められている」 正義を叫ぶバカものどもが、総出のボランティアでこの国のコントロールを国民の手から奪おうとしている。 彼ら自身やその子らも国民だと…

ベルーガとともに運ばれたもの。

その晩、チャビンがすでに大きく負けていることを、僕たちは知らなかった。 地味な色のシャツで包んだ腕のなかには1枚1,000ドルのチップが山のように積まれていたからだ。 それまで何日ものあいだカジノフロアをさまよい歩きながら大きく勝ちも負けもできず…

「あなた方は幸せである。何も考えるな」

2007年、ついに生産台数で世界トップに立ったトヨタ自動車は08年3月期に連結営業利益2兆円あまりを計上してその社史に絶頂を記すが、その年の秋に発生したリーマンショックとそれに続く世界的な金融危機のなかで販売台数を急激に減らし、数年の間にひた走っ…

エンゲージ、馬肥ゆる秋。

上着もいよいよパーカー1枚では厳しくなってきたぞという9月末のボストンで、Berklee College of Music主催のBean Town Jazz Festivalなるものが開催されるというまさにその土曜日だけは突如として雲ひとつないカンカン照りのフェス日和で、日焼け、脱水によ…

惹句 in the Box

ある人が " Stay foolish, " なんて云ったという話。 頭のいい人にしか云えないことなので嫌みだね、と気づけないタイプを炙りだしてくれるので助かっている。 ところでボストンではやたら "Bean Town" という言葉を目にするので調べてみると、これがボスト…

啓示。ペンギン村的な世界、太陽の下で彼は。

怖いもの見たさというのは非常にシンプルで、本能的な欲求だ。 そこここの闇や障害物が落とす死角に囲まれた原始人の世界。我々にとって死角すなわち「そこに何があるか分からないこと」は常に恐怖であった。 物陰には大蛇がとぐろを巻いて隙をうかがってい…

血祭りは続く(どきどき)。

【ネット】 「有名人男女がお泊り(どきどき)」 ツイッターで暴露した高級ホテルのバイト学生、自身が大学名から顔まで晒される事に★5 http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1295278006/292 もう珍しいことではないが、2ちゃんねるの「ニュース速…

土方の一分。インターネット終了のお知らせ。

カフェ ラ・ボエムがたまらない。 何がたまらないと云って、知らないうちに随分店舗が増えたように思うのにメニューはまったく変わらないという泰然とした様子がたまらない。 どの店に行ってもだいたい同じようなクオリティのものが食えるという安心感と、多…

ガゼルの群れ。ふたたび龍馬に切られる者たち。

私は大河ドラマというやつを観ない。 いきなり白状すれば「独眼竜正宗」(’87年)「武田信玄」(’88年)「春日局」(’89年)の三年間は一話も欠かさずに観ていた。 しかし「春日局」の成功により大河ドラマはやはり時代劇で行くとNHKが決めた(’86年までの3…

雨、暴落したあと。

豪クイーンズランド州で大規模な洪水が発生している。 被害に遭っている地域はすでに独仏両国の国土面積を上回る。 日本の面積はドイツとほぼ同じ(Wikipediaによれば、面積ランキングの60位が日本で61位がドイツ)だから、つまり日本全国を上回る面積をすで…

消滅しなかったブログ。おせちの第二幕。

グルーポンで購入したバードカフェのおせち購入者の声を募集!(ガジェット通信)。 なぜガジェット通信がこんなことをやっているのかは、さておこう。 昨年、グルーポンという何故かどこか騙されたような気がしてならない「お得なサービス」が上陸し、今年…

税を語れ候補者

日本の民主主義がその根本から歪んでいることを示すひとつの例は、「税理士」という職能の存在である。 wikiを引いても、日本で云うところの税理士が存在する国は世界でもいくつかしかない。 米国などでは税務申告は資格がなくても業としてこれを行うことが…

法治国家は焼肉屋を救済しない。

官吏や法曹がなにか法律の運用を誤ったとき、この国は法治国家ではないのかという怒りの声が巻き起こる。 この怒りは二重に間違っている。 まず法治国家の原則というのはもちろん、人に過ちを許さないといっているのではない。過ちは過ちであり原則は原則だ…

引きこもれない。

すわ週末。 「明日は引きこもるぜ!」と布団に入り、13時間あまりも寝たところまではよかったが、起きて「NHKにようこそ」の1巻を観てしまうと、2巻以降がうちにはないため30分後には家を出ることになった。 * * * * * Sが会社を辞めたいと云いだした。…

店舗型告白のキルレシオ。

27歳女性にメモ「好きだ」…59歳男逮捕 宮崎県警は24日、住所不定、臨時作業員那須今朝男容疑者(59)をストーカー規制法違反容疑で逮捕した。 発表によると、那須容疑者は4月から5月にかけ、宮崎市内のアルバイト女性(27)の軽乗用車に、「好き…

ゆくはかえるの橋。まず己の主であれと晴明は語った。

列をなしてしゃがみ込んだ修学旅行生は野菜畑のようにコンコースを埋め尽くしていた。京都はこの季節もまた修学旅行シーズンのようだ。若い娘が好きでたまらない銀河さんの視線を遮りながら、そそくさと駅を出る。暑い。梅雨が明けると京都の熱気はまるで霧…

MPとケツの穴。

熱することなく、されど誠実であることには妥協せず。 三時間にわたり思いの丈を語り尽くしたあと、自分のMPがついに0になったのを感じた。 呪文が全部非アクティブになり、選択できない。 予兆はあった。二日後、かねて祈祷の予約をしてあった京都・晴明神…

姉さん、ポップが死んだみたいだ・・・姉さん。

最近楽天のロゴがでかでかと貼り出された「有料動画サイト」のShowTime が「交響詩篇エウレカセブン」の冒頭7話を無料で配信している。 「後悔しないから是非観てくれ」と薦めたいところだが、終盤必ず後悔する作品なのでごり押しはよす。ただ中盤までは無理…

Eのためのノート。

僕は初めてEに出会った日のことを鮮明に覚えている。 まだ駆け出しの管理職だった僕に突然、僕が採用したわけでもなく、僕の部下になるわけでもない新入社員のオリエンテーションが回ってきたのだ。 「うちの会社はほら、いろいろ複雑だから、野良パスタさん…

神話からの脱出。

渋谷はBunkamuraル・シネマにて「ベジャール、そしてバレエはつづく」が公開中。 ローザンヌ市が世界に誇るバレエ団を取材したドキュメンタリーだが、私は2011年1月のローザンヌ国際バレエコンクールを見物するためについ先日よりフランス語を始めたりしてい…

敗北の軌跡。

ある日20ページを越す大部のパワーポイントがメールで送られてきた。 タイトルは「敗北の軌跡」。 5年前にスポンサーを得て起業した同い年の男による自伝だった。 ようやくそこそこ食っていけるようになった会社を部下に譲って退く決断を、彼は敗北と呼ぶ…

どこへ行ったんだ、タイガー。

カップに蹴られたボールはゆるやかな傾斜を転げてバンカーへと落ちた。ギャラリーのどよめきはうねりのようだ。 気がつくと僕は最終ホールのグリーンで、砂に埋もれたボールを呆然と見やっていた。 最終日のここまで三打差の二位へ追い上げてきたゴルファー…

換装。海岸線はやつらの手に渡った。

初夏のある日、懇意にしている退役自衛官が尋ねてくる。 招き入れた部屋では駐屯地の土産にもらった自衛隊のカレンダーを壁に掛けている。 「これがシーホークですよ」ヘリコプターのパイロットだった彼が椅子に腰掛けながら教えてくれた。「僕はこれに乗っ…