新宿メロドラマ

安っぽいヒューマニズムは要らない。高いのを持ってこい。

ブログ

手売りのCDは買わない。だが山本直樹のサぅうわぁぁぁぁっぁあぁぁぁぁぁっぁ!!!

ロックをたしなむ知り合いが昔から多く、演奏会に呼ばれることが絶えない。 そこでその晩ステージにあがる名もなきバンドを気に入ることもあるが、その場では断じて手売りのCDを買わないことにしている。 だいたいミュージシャンなどというものはおしなべて…

アヴァンギャルドの作法。

1571年(元亀2年)9月30日。織田信長は比叡山延暦寺を中心とした一帯に火を放った。 織田の狙いは近畿一円の抵抗勢力が文字通り「駆け込み寺」としていた延暦寺の影響力を排除、その軍門に下すことにあり、「信長の仏教嫌い」云々というよりは、純粋に地政学…

「才能に勝る努力なし」。

大学一年生の僕は三ヶ月のあいだギターを引き続けたあと、そう云ってギターを置いた。 「歳のわりに荒んだこと云うねぇ、キミ」 聞いていた七年生の先輩(この先輩は結局八年かけても大学を卒業できず、その後除籍になった)があきれたように云っていたのを…

ゾウの渡り、望郷。【2】

極真空手の道場へ通う先輩に電話一本で拉致された僕はそのとき八丈島にいた。 5名の釣り好きと僕といういびつなパーティは台風で壊滅したあとの八丈島へ渡り、5名は3日にわたって防波堤からの釣りを楽しみ、僕は読書を楽しんだ。 そして帰りの機材が用意され…

ゾウの渡り、望郷。【1】

すでにご案内の通り、生命はみな生きて子孫を残すために生まれてくる。 このため生命体(思念体のことはよくわからない)の本能には「生きること」と「子孫を残すこと」に向けた強烈な動機付けがされている。 人間もまた然り。いかにブログなどを書いて高尚…

アクシデンタル・ツーリズモ。2tの思い出。

生まれて初めてハイエースを運転した。デカすぎワロタ。 あまりクルマのことに明るくないため「荷物を運ぶ1BOX」という投げやりなオーダーを伝えた僕を出迎えたのは、いわば小型のバスだった。 僕はクルマの運転が下手だ。 まず這々の体で運転席へよじのぼ…

いきものがかりの内省。

酒を止めてちょうど半年が経った。 たった半年だが、あれだけのペースで飲んできた人間だ。腹の臓は延々と煮えたぎる釜がごとき有様であったのだろう。人間ドックの結果は、さまざまなメーターが即座に正常化する様をみせつけ、あらためて「酒は百薬の長」な…

愚問を繰り返す住吉美紀その他の人類。

知人の結婚式に備え、僕が書きつづっている一冊のノートがある。 頼まれてもいないのに披露宴で上映する気になっている「プロフェッショナル 仕事の流儀」の二次創作ビデオの台本である。 【シーン7 スタジオパート 1】 愚問を繰り返す住吉美紀 (上司との対…

悪夢の価値は。

Yahoo!知恵袋に「ガンダムの製造費用7,000億円」という、あまり価値のない推定が公開されている。 一方お台場のガンダムが5億円で買われていったという価値が不明の情報が流れる。 人間に体感可能な四次元世界は夢のなかだというのが僕の持論だ。 テーマがな…

実写とアニメのDMZ。

「『不気味の谷』現象をサルでも確認」。 「不気味の谷」とはこのようなグラフの表す谷を意味する。 曲線は被験者の感じるポジティブな関心。 被験者に見せられる「顔の画像」は、グラフが右へ動くにつれリアルなものになっていく。 人間が「人の顔」を描い…

未来予想図紛失。

モノが売れなくなっている。 これを不況のせいだとするのは偽りであり、現実から目をそらそうとしているのに他ならないという人に会った。 あるせまい業界で随一のキレ者と称される方だ。 高いものが売れず、百貨店はあいついで減収・減益を発表している。 …

非加熱サプリにて人生の運用利回りを向上せむとす。

人間にとって、もっとも限られた資源は「時間」である。 大人になると極刑をのぞきさまざまなかたちでいろんなことに落とし前をつけることができるため、これは裏を返せば代償を払えばたいがいのことは叶うということに他ならないわけだが、極刑をふくみ死だ…

テーラーを許す。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」をバルト9にてふたたび観劇す。 終わると前の席にいた青年がとなりの友人に「云いたいことはたくさんあるけど、まずは出よう。云いたいことはたくさんあるけど」と興奮気味に繰り返す。 いまごろ初めて観にきているお前にこ…

独裁者の喜劇、アスリートの悲劇。

予備校で現代文を教えていた講師は、生徒が30分の問題を解くのに1時間をかけさせた。 「ゆうべの貴乃花は5秒で勝負を決めた。本番は5秒だ。だからと云って稽古は5秒でいいのか」 本番は時間が限られている。だが稽古では時間をかけ、ただしい解法を身体に教…

俺らの人生、プライスあり。

足利事件の「被害者」と化した元服役囚の菅谷さんに栃木県警の本部長が謝罪。 バシャバシャとフラッシュの焚かれるなかで外連味たっぷりの言葉を口にした本部長を菅谷さんは赦す。 国家賠償の請求が始まる。 それがいかほどの額をめぐって争われる訴えなのか…

愛することができないときも、憎むことだけは忘れるな。

今年初めての凄まじい雷雨だったが、雷はあなたの近くに落ちただろうか。 夏が近づいている。 小学校にあがる前、一度だけ町内の「納涼会」なるものへ母親に手を引かれて行ったことがある。 なんとなく知った顔ばかりだったが子どもには珍しい夜明かりのなか…

丸腰の天使は郵便を待っていた。

<拳銃置き忘れ>コンビニトイレに 広島の巡査長 6月13日11時1分配信 毎日新聞 13日午前2時50分ごろ、広島市中区西十日市町のコンビニエンスストア「ファミリーマート西十日市店」のトイレに、広島県警広島東署刑事1課の男性巡 査長(33)が、実弾入…

ポテチは新たな次元へ飛翔し、観客は眉をひそめる。

後日詳述するが、福岡伸一は「できそこないの男たち」の最終章で人間の第六感について語っている。 曰く視覚、聴覚や味覚あるいは触覚といった五感のすべてを奪われたとしても、遊園地のフリーフォールに載せられれば、私は「落下していること」を感じるであ…

12匹の怒れる男。

消灯して12時間後の朝8:00に起きて朝食を摂り、また寝た。 目を覚ますと昼を回っていた。座卓にあった茶菓子を食ってポット一杯の水を飲み、また寝た。 起きると夕方になっていた。 まだ寝られる自信があったが、このままだと金沢へきたことばかりでなく温泉…

粗暴なドライバー、痔が完治。

11:21から12:10までのつごう49分、京都に滞在した。 京は霧雨で、一旦改札を出ては喫煙の許される場所もわからず、ただ目立たぬ場所を求め柱の陰で一服やるうちに全身はなんとなく濡れそぼった。 眠い。 サンダーバードという特急の名前は、なにか社会貢献度…

摂氏30度。戦争が感染する。

そして疫病が拡大する。 徐々に威力を薄めながら日常に同化していく。 我々はそれを恐れるけれども「新型インフルエンザ反対集会」を組織したり、「感染反対」の横断幕をかかげたりはしない。 賛成/反対の意を問わず感染は国境を乗り越えてたやすく人々をと…

鳴らない電話をもう一台。

docomo第三新東京市支店が「第五種情報管理統制機器 SH-06 NERV」つまり「エヴァンゲリオン携帯」(「エヴァ携帯」と呼んでもいいだろう)を発売すると発表した。 なにからなにまで素晴らしいが、「マットな手触りの塗装」というくだりがことのほかよい。 だ…

原発の話なら、あれはもうダメだな。

だいたいの大人はもうわかっているはずだが、電力調達の途というのはいずれ絶たれることになる。 それは直接にいまある我々の危機というわけではないが、これを「我々」の問題だと捉えるかどうかは想像力の問題だ。 道徳や義務や知性の問題にすり替えてはい…

バカラが教えてくれたこと。

もう一生、本気でバカラをやることはないだろう。 負けたから云うのではない。 「丁半博打が一番おもしろい」とはよく云われることだ。 16頭立てのレースに先んじてありとあらゆるデータを洗い、レース展開を読む競馬ファンや、20連チャンの夢を追い立て…

水と砂、およびきわめて高濃度の酸素。

押切もえが「飛行機内の湿度は0%」だと書いているのを読んだことがあるが、なんとなくそれは云いすぎだという気がする。 だが機内の湿度はたしかに低く、それは金属でできた機体を腐食から守るためだというのはおそらく事実だろう。 世界初の旅客機が金属…

銃声がやむ。僕は兵士の姿を探している。

営業は前線(フロントライン)に身をおく兵士だ。 敵を射つためには自分もまた敵に射たれかねないアングルに身をさらすのは基本的なルールである。 いつまでも遮蔽物の陰に身を潜めるばかりでは星の数は増えまい。 そこで彼らは散発する銃声の間合いをはかっ…

秋を待ち、サーカスは海を渡る。

草薙剛の一件では、記者会見で石原慎太郎が「公然猥褻?全裸ってのは猥褻なの?」と返したのが唯一いい思い出になった。 ジェリーが今週のRUBY Roomは観にこいと云うので仕事をひけた後、渋谷へ下る。 同行するはずの奴らはみんな音信不通だ。 円山町あたり…

寂しいから寄ってきて、恥ずかしいから離れていく。

深夜、突然携帯が「みくみくにしてあげる♪」で僕を呼ぶ。 ウィンドウに「痛風持ち」の表示。ケニーだ。 41歳の春をとうに越えたケニーは10歳も年上なのに僕の弟分をつとめる痛風持ちのラケンローラーだ。 飲んだときだけ「俺ももう一花咲かせたい」とく…

マネーゲームは人生を内包しうるか。

「人生ゲームM&A」をいまさら購入。 当時ライブドアの堀江貴文氏が監修に名を連ねた、玩具というか作品である。 彼が上告趣意書を提出したのを機に、我々が踊るあいだに流れていた曲が「バブル」であったことを確認したく思い、オークションで手に入れた…

不確実性を生きる我々と、その弁護士。

関西にあっては弁護士に身をやつしているが、一ヶ月に一度、東京へくると周りの全員から「淫獣」と蔑まれている男(男というか、つまり弁護士であるが)がやってきた。 今回の我々にはあまり面倒な問題もなく、午前中だけ一緒に仕事をしたら午後は彼なりに自…