新宿メロドラマ

安っぽいヒューマニズムは要らない。高いのを持ってこい。

アクロス・ザ・ボーダー。

アメリカでは中間選挙民主党が歴史的大敗を喫す。

ヒラリー/ビルのクリントン夫妻が23もの州に招かれ応援演説をしたのに対してオバマが呼ばれたのはたったの8州、それも民主党色の強いところばかりというのでこの結果は要するにオバマの失政が導いたというのが投票前からおおかたの見方である。

 

敗北をうけての記者会見で意地の悪い質問がとぶのは当然のこととはいえ、かつて演説巧者として民主党大会で注目を浴び、一気に大統領候補まで駆け上がったオバマ大統領のショーマンシップは見る影もない。

主要な政策について方針の変更が迫られているのではないかと質問した記者。

「ISSI(イスラム国)との戦いに、我々は勝つのですか?」

との問いに対して

「それを云うのは時期尚早」

とリーダーとしては完全にアウトの返答をしたオバマ

成功した弁護士である彼は言葉を弄するのには長けているが、妥協を含む政治的交渉の結果、なにがなんでもやりとげたという成功体験をもたず、それがホワイトハウス入りしてからこっち困難な課題を乗り越える際に大きな障害となったと評論家たちは述べている。

たぶんブッシュ前大統領なら差し詰めこんな調子だっただろうか。

「誰が勝つか負けるかの話をしてるんだ?

 やつらがクソをもらすまでケツを蹴り上げてやるってことだよ、それ以上でもそれ以下でもない。

 キミならこの意味が分かるだろテッド?よし、次の質問だ」

よしあしはともかくアメリカにおいて戦争に関するアドレスはこうでないと意味がないということがわかった。

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今回のエボラ出血熱との戦いは、どうやら人類が勝利を収めるような見通し。

実際に何がおこなわれたのかぜひとも調査をお願いしたいが、今回の対応ではセネガルがたった1人の死亡者にとどまりいちはやく終息宣言を行ったのが印象的。


原発が飛んだりコンピューターに将棋で負けたりといいところのない日本なので、すわ国内で感染拡大となればこれはAUTOかと真剣に怖れていたが、アメリカでも治癒回復の例が出て、どうやら不安も沈静化に向かっている模様。

ただ強制的な隔離検疫に課題が残ることはわかった。

AUTOのコピペってどれくらいバリエーションあるんだ?

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ロサンゼルスへ向かう飛行機のなかで高熱を発し、鼻水がとまらなくなる。

3月のことだったからまさかとは思ったが直感は(インフルエンザ・・・・・)と告げていた。

逆に寝付けないまま到着し、機内のマスクをそのままして入国審査を済ませ、タクシーに乗ったら運転手が陽気に云った。

「なんでマスクなんかしてんだ?ロサンゼルスにばい菌は飛んでねぇぜ、心配すんなよ!」

(おまえのためだよ)と心ではつぶやきながらホテルへチェックインしたが結局夜中にERへ。

案の定インフルエンザB型だと判定された。

「アメリカにインフルエンザB型は存在しないの。

 だからこれはおうちで貰ってきたってことね」

若い女医は激務であろうにER的な優しさをそなえていた。

「東京からは8時間?なんて近いの!わたしの実家からはクルマで16時間。終わってるでしょ?」

マスクははずさないでね、隣に小さい娘さんがいるから親御さんを心配させないで・・・・・。

クランケを落ち着かせるという意味では素晴らしいホスピタリティだったが、インフルエンザだというのにレントゲンまでとられ、医療費高止まりの背景を垣間見た。

しめて5時間の滞在、処方箋をもらって2,000ドル。

出国後の発症ということでカード会社が丸抱えしてくれたが聞きしに勝る医療費負担の恐怖といえた。

「ここにあるのあなたのシャツ?なんて素敵なの、今日きた患者さんのなかであなたがベストドレッサーよ」

女医もなんだか学生を相手にする水商売のひとみたいになってしまった。

 

ともあれ、こうして病気は海を渡る。


本当は入国するときに「発熱があります」と申告しなければならなかったのだろう。

エボラ出血熱のキャリアとなってアメリカに入国した、あるいは発症後発熱がありながら飛行機で移動したひとたちを批難する声だけは止まないが、病状を水際で申告するのはわりと勇気の要ることだろうと思う。

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全般にしどろもどろのオバマ大統領が冴えないイメージだった記者会見。

一度だけ会場が沸いたのは、

オバマケアだって、いまはシステムもSuper wellに動いてる」と大統領が云った場面。

問題はそこではなく、日本ですらもう社会保障費を支えきれなくなっているというのにいまから皆保険を導入してどういう風につじつまを合わせていくんだという根本的な「事業設計」だろう。

 

中間選挙の結果、連邦議会は上下院を共和党が制して「ねじれ解消」へ。

財政タカ派は金融引き締めへのステップへどこまで介入するしようとするだろうか。

いちはやい米長期金利の上昇は金利差の拡大を経由して円安効果を日本にもたらす。

シートベルトサインが点灯中である。