まったく世に口さがない人というのはいるもので、仮にも名刺を交換するような関係の方から「オナニーブログ」と斬って捨てられた弊ブログ「新宿メロドラマ」はGoogle AdSenceのタグを設置して以来10ヶ月で報酬総額がやっと1,170円。ただし日本国内の住所が確認できないため払い出しがおこなわれないという寸止め状態である。
なお親愛なる読者の皆様を売るべく執拗に設置されるAmazonアソシエイツのタグからもたらされた報酬は前身のアメブロ時代からの5年間でまさかの2,707円というから恐れ入る。
しかもそのうち1,000円がMILLETのジャケット一発であがっているのでアフィリエイターとして食っていこうという私の夢は差し詰めサルにタイプライターを打たせてシェークスピアができあがるのを待つようなものだ。
ところでこの無限の猿定理だが、見かけ以上に深遠な意味をもっている。
たとえば円周率。
円周率は無限に続いて割り切れない無理数であることがわかっており、かつどこまでいっても循環に陥ることがないと考えられている。
ということは、理論上、円周率をたどっていくと任意の数列がかならずどこかで出現するということになる。
んむむ!これってもしかしなくても大ニュースだよね!?数学の教科書だって変わるし円周率も3.15で計算させられるのかな? "@GZsoku: 円周率10桁で終了wwww pic.twitter.com/n7gJv3Ei"
— みっころりーん(ヽ´ω`) (@Mippoko0111) 2013, 2月 6
いまボストンは2015年7月16日11時58分08秒。
この20150716115808という数列は、無限に続く円周率のどこかに必ず出現するはずなのだ(だって無限だから、出てくるまでたどっていけば、いつかは出てくるという「雨乞いの論理」)。
この考えをさらに進めると、「すべての情報は円周率の一部として表現できる」ということになる。
百科事典30冊の記述をすべて10進数(0から9)で表記すると、これはひとつの数列になる。
恐ろしく長大な数列だが、この数列もまた果てしなくつづく円周率のどこかに含まれている。
その場所がわかれば百科事典の内容は「円周率のa桁目からb桁目」という情報に圧縮して伝送することが可能である。
受け取った方は円周率のa桁目からb桁目を調べて文字情報へ復号すればよい。
よく似た話に村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」で出てきた「つまようじの論理」があるのでご記憶の方も多かろう。
何が云いたいかというと、つまり「充分な長さ」だけブログを書き続ければ、私もアフィリエイターとして財をなすことがいずれできるだろうと、これが論理的な帰結だということを云いたいだけだ。
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なお先に触れた私のブログを「オナニーブログ」と呼んだ人物(「オナニーブログ」であるということ自体を私は否定も肯定もしない)はもともと広告屋である。
広告屋というのはどうしようもない人種であって、およそこの世に存在する事物はすべからく媒体として評価されるべしという考え方をすり込まれて人格破壊に至った者たちを「広告屋」と呼んでいる。
ひどい例では自分の母親のことを「媒体」と呼んでいるやつがいた。
そしてこのブログを読みながら、スマホ画面の挙動に拠らず絶対に誤ってバナーを踏んだりしない奴ら。それが広告屋だ。紹介されている書籍に興味があってもわざわざ別のタブを起ちあげてAmazonにアクセスする連中。それが広告屋だ。
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本日、このエントリは5匹の猿によって執筆された。
猿たちはAmazonアソシエイツならびにGoogle AdSenceからもたらされる収益によりこの実験にアサインされたものである。
みなさんの深遠なるご理解とご協力に感謝している。
2003年、6匹のクロザルを使った実験が行われたが、この猿たちが文学界にもたらしたものは、ほとんど「S」の字だけからなる5ページのテクストのみであった。