経営者の端くれとしては、従業員のやりがい云々の前に「労働時間をなるべく短く、労働分配率を高く」が社会的使命だと心している。
グローバルな「同一労働同一賃金」も、「給料の安いとこにあわせてどうすんだよw」というのが僕の立場だ。平等とかではなく、それでは得をするのは資本家だけだ。
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で、いよいよ出るべきものが出てしまったという感じだ。
厚労省が調査発表において
「おい、おまえら収入が少ないからって、あんまり変なもんばっか食べてちゃダメだゾw」
とありがたいお告げをくだしたと話題に。
これに対しネットでは、「栄養なんか気にしてられるような収入だと思ってんのか!ぶっ殺すぞ!」と火がついたように怒り狂う一部アカウントがみられる。
あわせて読むと示唆に富む記事がこちら。
友人が、アメリカ人の所得水準と健康について曰く、
「所得水準の高いアメリカ人はおしなべて教育水準が高い。
だから食事が健康に及ぼす影響を理解している。
そこで高いカネを払って低脂肪やオーガニックのいいものを食べるから医療費も抑えられる。
他方、まずしいアメリカ人は栄養に対する知識がない。
だからとにかく安いジャンクフードばかり食べるので肥満し、病気になる。
結果、高額な医療費を支払えず、さらに困窮するという悪循環がある」
友人は途上国の支援や開発に長くたずさわり、自分の年収は4ケタ万円だが貧困問題には詳しいため、これはおそらく正しい分析なのだろうと思う。
ここから少し、ステレオタイプを引用する。
比較的高収入のオフィスワーカーは10ドルもするサラダをランチに持ち帰り、食後はトイレで歯を磨く。歯を磨くのは、保険の利かない失業中に歯医者にかかると、それだけで破産するからだ。
仕事終わりや週末にはジムで身体を動かすのも同様。決してダイエットや美容のためにやっているわけではない。
どうせ奴らは太っているし、時速100マイルで走れてもブスはブスだ(まぁそれだけ走れればカーレースには出られるかもしれないが)。彼らはこれ以上太るのを防ぎ、免疫力を高めることで健康を維持しようとしているに過ぎない。それもこれも、将来かかる医療費が自分の人生を破綻させることを知っているからだ。
だからすなわち深夜にやっている海外ドラマのヤッピーどもは、あなたがうらやむほどオシャレで浮気な感性からああいうライフスタイルなのではない。
他方、肉体労働者は昼飯にコンビニでA4ぐらいのピザを買って、消火器大のボトルソーダと一緒に食っている。
ピザをサンドイッチ、ソーダをミネラルウォーターにしたって値段はさして変わらないが、その方がうまいからそうしているのだろう。
実際に見たことはないが、僕の云っていることは伝わっただろうか。
そして脂質・糖質過多で運動不足に陥った身体は不調をきたす率が高くなり、やがて病を得れば医療費による自己破産を経て生活保護の受給対象者へ至る。
米国内で破産した人のおよそ半数が、医療費の高騰が原因で破産しており、病気のために自己破産に陥った人々の大半は中産階級で医療保険加入者であることが調査で判明した。
そこで「日本は国民健康保険があるから大丈夫!よかったね、TPPには反対しよう!」という御仁もいらっしゃるわけだが、身体を悪くした奴がバンバン医者にかかって文字通り捨てるほど薬をもらってくるような状況がこれ以上続けば、TPPを待たずしても国民健康保険制度は破綻する。
今日はこういうシンプルな計算ができず、現状維持が最良の戦略だと思い込むことがいかにヤバいかという話をしているので、僕はこういう甘えを許さない。
つまりどちらのルートを通っても、医療費は現在にくらべて高騰するのが日本を待ち受けるシナリオだと考えてよいわけだ。
こうして政府が国民の健康と生命を支えるという意味での福祉を維持できなくなる危機感を、厚労省の発表からは読み取るべきだといえる。
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食について。
428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/23(日) 19:08:48.52 id:AFRvPega0
>>424 食肉加工にいた俺が申し上げよう。
四国の某県の工場だが、一日11トンの食肉を入れてその肉から出来たハム・ソーセージが18トン。
どれだけインジェクション→タンブリングをしたのかw
日本でだってこの有様だ。アメリカというのはどちらの産業界をみても非常にイノベーティブなので、何をやってくるかわからない。食には一層気をつかいたいところだがオーガニックの食品はとにかく高くつく。
食の安全に対する関心の高まりとともに、こうした食品を扱うチェーン店も増えてきたというのが、この直近でホールフーズマーケットがつまづいた理由に挙げられているが、手に入りやすくなったと云ったって高いのだ。
リンゴひとつとったって、オーガニックとそうでないものでは違うし、加工食品になればUSDAマークがついているかどうかで、また値段が違う。
USDAというのは米国農務省の発行する「オーガニック食品認証」だ。アメリカでは、ただ「オーガニック」といっても名前だけオーガニックというだけなので、USDA認証を取得した食品でなんとかやっと意味のある「オーガニック」になるのが実態だと堤未果っぺが云っている。
そこへきて、いよいよ日本でも「低所得者は身体にいい食生活を送っていない」という話が出てしまった。政府がこれを云うのは一部アカウントが憤るような無神経ではなく、大変な危機感をもった警鐘だととらえなければならない。
社会的格差が拡大しているということはこれまでにも繰り返し云われてきたわけだが、それが「贅沢できるか、できないか」といったレベルではなく「健康に生きることができるか、できないか」という生存権すなわち「生きる権利」にかかわる次元に達していることがついに明らかにされたのである。
あるいは、たとえばこの問題。
「毎晩の帰りが遅い以上、松屋が生命線」はわかるけど、云うてる場合ではない。
ことはすでに未成年に及んでいるのだ。世帯所得が低いほど、こどもの肥満率が高くなっているという分析である。
このニュース自体衝撃的なのだが、青年期よりも前、小児期にこの差がみられないのは「学校給食が防波堤になっているからだと考えられる」という一文には息を呑む。
給食費を払わない親の子に出す給食はない、などと云っている場合ではない。そういうこどもたちこそ給食を必要としているのだ。
戦後の栄養不足のなかで子ども達の食を支えるために確立された学校給食制度は、いままた強く必要とされる時代に入っている。
僕は正直給食が嫌で仕方がなくて、いまだにどんな店でも「並んで飯を待つ」ことができない人になってしまったが、それでも強く思う。日本はいま、この制度を絶対に手放してはいけない。
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云われる方は「ぶっ殺すぞ!」と息巻くだろうが、低所得者の食事に偏りが生じており、肥満や罹病の発生率を引き上げているという不都合な真実には誰もが目をつぶるわけにいかない。
これらは医療費の増大というチャネルを通じて社会保障費を圧迫し、課税の強化というかたちで法人や高所得者へフィードバックしてくるのであって、およそ日本社会にこの問題と無縁のひとはいない。よしんば医療保険制度が破綻すれば、医療費による破産が続出し、次に生活保護の仕組みが連鎖的に破綻する。
「ナマポを受給しているヤツの方がいい生活をしている!」と批難する声も聞かれるが、そういう意味では安心していい。それも時間の問題だからだ。
しかしだからといってヘリコプターでカネをばらまけばよいという話でもない。
その理由として、以下の心温まる例をみてみよう。
ザ・ドキュメントみたいな番組で多重債務者のオッサン(嫁がいる)がちょっと返済進んだからって突然チワワを嫁と買って来て「ベッカム」って名前付けてたの最高に良かった。隙がない良さだった。ザ・ドキュメントみたいな番組で多重債務者のオッサン(嫁がいる)がちょっと返済進んだからって突然チワワを... - さんごりらさん's
行動経済学の明らかにしたところによれば、人は将来の利益よりも目先の利益に対して非合理なほど重きをおくことがわかっている。
金利負担をわずかずつでも減らしていく代わりに、今日のベッカムかわいさにベッカムなのだ。
「毎日こんなに頑張ってるんだから、これぐらいないとやってけないんだよ」
と云われそうだが、こういう人に確実に欠けている視点がひとつある。
「人生はいつでも、もっと悪くなりうる」ということだ。
売れるほど水道水の品質が高い東京にいながら毎日ミネラルウォーターを買って帰り、晩酌のあとでタバコを吸ってベッカムに飯をやり、自分は「アメトーーク!」の録画を視ながら松屋の持ち帰りで済ませるうえで「栄養の偏りなんか考えてる余裕があるか馬鹿野郎!ぶっ殺すぞ!」とすごむひとがいるとすれば、このひとと向き合って話をするのはもはや、非常に難しいところまできている。これが断絶というやつだ。
これを的確に文化資本の欠如だと指摘することに成功しているのが以下のブログ。非常に優れたテクストだ。是非ご一読いただきたい。
だがこちらのエントリもお好み焼きの話ではなく、おそらくは「キャベツは野菜です」というぐらいのところから始めなければ理解できないという人がかなりの分厚さでいるのだと思う。それが断絶だ。
若者が仕事に困らなくなったある時期、日本では学校教育の価値について語るのが難しくなったことがある。
「社会に出たら数学が何の役に立つんですか?」
いまや答えは簡単だ。
「毎日いくらずつ節約すればきみが二年で借金から解放され、このアパートの更新料を無事払えるか、毎晩自分で計算しなおすことで、人生をその手に取り戻すためです。逆に明日スロットで4万すれば、もはや5年は完済が不可能なところから借りるハメになることを理解するためです」
「なぜ英語を勉強しなければならないんですか?」
「他に仕事がなくなったとき、それがあなたの役に立つ可能性が高いからです」
「なぜ男子も家庭科を履修しなければならないのですか?」
「身体によい食事は自分でつくることができ、洗濯は風呂場でできて、衣類の破れは繕えることが分かっていれば生活をマネージし、自分の健康に配慮する余裕が生まれてくるからです」
これほど明瞭に答えられるようになったことは日本にとり、はっきり云って不幸以外のなにものでもない。
これほど不幸な話なのだから、人を傷つけずに議論するのは大変難しい。
だが医療保険制度の崩壊はもう目前に迫っている。
年金保険が本来の意味で「老後」の生活を扶助してくれないだろうことは、一定以下の年代においてはコンセンサスだと云ってもよい。だから。
「アメトーーク!」をいますぐ切って水道水を沸かせ。
炊飯器でコメを炊け。腹を満たすだけなら家でコメを食える。浮いた金で野菜を食うんだ。できれば休みの日にスーパーで買ってきた野菜を家で調理するんだ。お好み焼きでもいい。油で炒めるだけでもいいんだ。塩胡椒も買ってこい。
「アメトーーク!」を見ていた時間でジョギングに行け。30分でもいい。最初はゆっくり、ただしストレッチを忘れるな。何度か走っているうちに楽しくなる。人間の脳はそういう風にできているんだ。
タバコをやめられれば上出来だ。タバコは吸うのにカネがかかって、悪くした身体を治すのにまたカネがかかる。会社に行くのがダルくてたびたび仮病を使っているのもそのせいだ。おかげで有給を息抜きに使えず、ストレスを溜めて無駄金を使っている。
酒を飲まないと寝られないヤツは医者へ行け。心療内科だ。正しく処方された睡眠導入剤で規則正しい眠りをとることは、酒を飲み続けるより遥かに健康的だと僕は3人の医者に云われた。もっといえば、医者にかかる費用はお前の1週間の酒代よりはるかに安い。
ベッカムは・・・・・ベッカムは実家と相談しろ。捨てたり無責任な知り合いに譲ったりするのだけはやめろ。
どうしても引き取る先が見付からないなら、それは仕方がない。そのままの生活を続けろ。
イヌと愚かさは、人間の生涯の友だ。