のっけから気分の悪い話だが、今日は云い訳させてもらう。
先のエントリに述べたように、今年はついに年間50冊の読破に至らなかった。目標未達だ。
これにはいくつか云い訳の余地がある。
云い訳の1。
「1冊」というが、わたしは分冊を1冊にカウントしている。「上下巻」も1冊。「1巻〜4巻」も1冊だ。
今年でいえば、たとえば劇症性の厨二病によくある設定のウェブ小説「ほたるの群れ」既刊4巻を読んだが、これを1冊とカウントした。
これは「駒」とよばれる十代の殺し屋を使うふたつの組織が中学校を舞台に繰り広げる死闘に巻き込まれていく、普通の男の子と親のない美少女の話だ。
あなたの苦笑いが見えた。
なんでそんなもんを読んだのかというとtumblrで流れてきたスピンアウトウェブコミック「五倉山中学日記」の25頁目「思」にジンときたからだ。
これで本編を4冊読まされることになるのだから、tumblrの闇は深い。
本年「34冊目」は「ほたるの群れ」1〜4巻。
なお、過去には広瀬隆がロスチャイルド家と、それに連なるユダヤ金融資本による世界支配の歴史と構図を壮大な規模で描き出した歴史的問題作「赤い盾」1〜4巻を1冊にカウントしたという偉業を数える。非常に男らしいケジメ方だと云えよう。
「世の中全部ユダヤに支配されてんだよ!」とか、よく知らないのに云ってみちゃってる人は、ちょっと大変だが「赤い盾」を読んでみよう。
本当に世の中が全部ユダヤ金融資本に支配されていることがわかる。
ただ、それがユダヤ人ではなく、ユダヤ金融資本の配下にある無数の欧米企業による支配だというのは広瀬隆が何度も繰り返すとおりだ。
また「赤い盾」といえば不朽の名作「BLOOD+」で主人公の女子高生(実はバンパイア)を支えて人類を滅亡の縁から救おうとする有志による任意団体「赤い盾」を思い出す人も少なくないと思うので、ここで傑作の誉れ高い第3期のオープニング映像を振り返ってみよう。
こんな素敵な動画をみれば誰でも興味が湧くと思うが「BLOOD+」本編は4クール即ち全50話と弊ブログの想定する読者にはやや荷が重いため、今日はアニメ好きでなくても楽しめるパイロットフィルム「Blood the Last Vampire」をご紹介しておく。
ベトナム戦争当時の東京で人波にまぎれて生きるバンパイアを追う少女と、その戦いを見守るデイビッドとの孤独な戦いを描いた小品だ。凄く、いいからぜひ観てほしい。
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このアニメーション映画にインスパイアされて、2009年に制作された「ラスト・ブラッド」という映画のひどさについては以下のエントリに詳しい。ただしこれは読まなくていい。
話を云い訳に戻す。
云い訳の2。
かねてよりあたためていた社内企画が、今年の11月にようやく始動した。
社内講読会 Wakka Inc. Book Club (WBC)だ。
これはWorld Basball Classicの略とかぶっているのだが、Wakka Inc. Readers Club(WRC)にすると、今度は世界ラリー選手権とかぶるので、とりあえずWBCのままにしている。
要するに本を読めという会社からの呼びかけに実体を持たせた取り組みで、毎月定められる課題図書を読んできて、週に1度の座談会でその内容について話しあうというものだ。非常に意識が高いといえよう。
非常に意識が高い。
いまやどんな情報も、ちょっとウェブで検索すればすぐに手に入る時代だ。
だがこうして手にした断片的な情報をいくつ集めても、そこに「知見」は生じない。
未知の現象、検索しても見当たらない現実のケースに対するこたえを自分のなかから生み出すためには、単なる情報の集積だけでは不十分なのだ。
このために必要なのは、あらたな価値観を生み出すための「床」(bed)であり、それを編むための体系化された「知識」にほかならない。
そこでたかだか数時間で書かれたようなクソブログ、I氏のペットフレーズで云うところの「インターネットデブリ」をかき集めるのみならず、何年にもわたる研究や経験をもとに、プロの編集者の助けを得て、やっとの思いで編まれた一冊の書物から集中的に、体系的な知識を仕入れておくことが重要なのだ。
このため私は社内講読会・WBCを旗揚げした。
そして最初と、それに続く2冊目の課題図書を読み込んでそれぞれ初回の座談会で音頭を取るべく入念な下準備をしたのだ。
つまりこれらの書物を私は何度も読み込んだのである。これが今年50冊を読み切れなかった云い訳の2だ。
本年13冊目にしてWBCの記念すべき最初の課題図書は「人と企業はどこで間違えるのか?」(ジョン・ブルックス/ダイヤモンド社)。
ウォーレン・バフェットがビル・ゲイツに贈ったといわれるビジネス書の傑作だ。
こちらの読後感は、以下のエントリに挙げてある。まぁまぁの読み応えがあると自賛しておこう。
これに続き、今月からWBCで読み始めたのが、以下の本。
本年39冊目になった「不格好経営」(南場智子/日本経済新聞出版社)。
前掲書が割と歯ごたえのある「ビジネス書」だったので、少し読みやすいものがいいだろうとWBCでは2冊目の課題図書とした。 今後もこのように、いろいろなタイプの書籍を取り混ぜながらWBCは継続していく。
ところでWBCは「ギーク部門」と「ナード部門」の2部門から構成されており、座談会は別に催される(予定である)。
現在先行しているのは上述の2冊を取り上げた「ナード部門」で、これは「非技術部門」の役員・幹部全員が参加を義務づけられており、技術部門は参加自由である。
逆に技術部門の役員・幹部の必修科目となるのが「WBC・ギーク部門」で、こちらは技術書や開発現場のマネジメント技法など、より実際的な書籍を読み込んでいく予定だ。
年明けには次の2冊を対象にしてスタートしたいと勝手に考えている。
本年27冊目になった「ビットコインはどのように動いているのか?」(大石哲之/tyk publishing)

ビットコインはどのようにして動いているのか? ビザンチン将軍問題、ハッシュ関数、ブロックチェーン、PoWプロトコル
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および本年28冊目だった「ビットコインとはなにか?いちばんわかりやすいビットコインの解説本」(大石哲之/SBクリエイティブ株式会社)。

ビットコインとはなにか? いちばんわかりやすいビットコインの解説本 (とはなにか?シリーズ)
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なお「ギーク部門」の講読会はいわゆる「勉強会」に近いものになると思われ、社外の皆さまにもご参加いただきたいと考えており、折に触れてお誘いを申し上げる予定である。
以上、云い訳にしては話が脱線したが、多少甘くカウントすれば今年ものべ50冊ぐらいは読んでいるということでご了承いただきたい。
また、このようにハードな読書環境の合間を縫って「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」を毎週読み、マンガについては先輩に触発されて「エリア88」
「エリア51」
「ハチワンダイバー」

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を読み通して、「闇金ウシジマくん」と
「キングダム」
の既刊を読破、「四月は君の嘘」
でひとしきり泣くという充実した一年だったことを付記しておく。
あと、クッソデブの腐女子がお気に入りのアニメキャラが死んだことにショックを受けて寝込んだ結果、激やせして超絶美少女になってしまう「私がモテてどうすんだ」
および、ただ面白いだけのラブコメ「ハル×キヨ」
も面白かったですとお伝えして、今日のアフィリエイト活動はおしまいだ。
明日もお待ちしています。