新宿メロドラマ

安っぽいヒューマニズムは要らない。高いのを持ってこい。

2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

どこへ行ったんだ、タイガー。

カップに蹴られたボールはゆるやかな傾斜を転げてバンカーへと落ちた。ギャラリーのどよめきはうねりのようだ。 気がつくと僕は最終ホールのグリーンで、砂に埋もれたボールを呆然と見やっていた。 最終日のここまで三打差の二位へ追い上げてきたゴルファー…

換装。海岸線はやつらの手に渡った。

初夏のある日、懇意にしている退役自衛官が尋ねてくる。 招き入れた部屋では駐屯地の土産にもらった自衛隊のカレンダーを壁に掛けている。 「これがシーホークですよ」ヘリコプターのパイロットだった彼が椅子に腰掛けながら教えてくれた。「僕はこれに乗っ…

「幸運が、お前には必要になるだろう」と黒人は叫んだ。

< 日比谷・日生劇場にて「キャバレー」観劇。 「Das walt ist Kabaret ! 世界は、キャバレーだ!」とのっけから大見得を切る諸星和己がいけない。いつもテレビサイズのカメラが自分を追いかけているという錯覚が抜けないものだから、やはり生涯舞台には向く…

手売りのCDは買わない。だが山本直樹のサぅうわぁぁぁぁっぁあぁぁぁぁぁっぁ!!!

ロックをたしなむ知り合いが昔から多く、演奏会に呼ばれることが絶えない。 そこでその晩ステージにあがる名もなきバンドを気に入ることもあるが、その場では断じて手売りのCDを買わないことにしている。 だいたいミュージシャンなどというものはおしなべて…